奥歯と介護

前に日記書いてから10日も間があいちゃってました。2010年ももう20日過ぎた。なんだか、10年代に入ってみると、00年代がすごく遠く感じます。まだ0がついてる!って。


ここのところ、本を読むってことがぐんと減っていたので、先日急に思い立って市立図書館に出かけ、本を5冊借りてきました。ちゃんと期限までに返せるだろうか…

わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率 イン 歯ー、または世界

一冊目。ほんとは、この作者の別の本が読みたかったのだけど貸し出し中で、残ってたのがこれでした。
自我というものを奥歯に定義した女の人の話。歯、って、人の体のなかで一番固い部分だそうです。
関西弁全開の文章と、あとはなんといっても句読点の置き方がすごかった。「、」がずーっと続く続く。見開き2ページ、ずっと続いてた部分もあったような。でもなにか唄う様な勢いとかリズムがある感じで、最初読みにくくても後半のってくると勢いで読めます。これ絶対英訳できない。日本語ならではの文章です。
主人公は結構支離滅裂なことを言ってるようで、でも一人称についてのくだりの部分はすごくおもしろかった。わたし、わたくし、わたくし率!


介護入門

介護入門

二冊目。昔、新聞の書評欄でこの一節が取り上げられていて、ものすごいインパクトあったのを覚えてます。

YO,朋輩(ニガー)、人を殺したことはあるか?俺は毎晩人を殺す気でばあちゃんの下の世話をするんだ、実ににこやかにな。

読んでてこの一文にたどり着いた時、ああやっと出会いましたね!って感じがした。
これも一冊目と同じように文体が変わっていて、ラップ調、みたいなんだけど正直そこはあまり気にならず。一冊目がちょっと変わりすぎてたってのもある。
でも、とてもいい話でした。いい話、っていうのとはまたニュアンス違う、そういうかるい言葉で片付けちゃあだめだ。介護とはなんたるか!どう関わっていくべきか!この分野については、私は詳しくないし周りの親戚もまだ皆元気でいてくれているので、実体験とあわせてどうこう、ということは言えないけど、大学で一週間介護実習に行った時の記憶が鮮やかに蘇ったのは確か。
あの時の自分の無力な感じとか、養護施設の利用者さんたちの様子、施設の雰囲気と当時暮らしてた学生寮の雰囲気の差にぐったりしてたこと、その他もろもろ思い出しながら読んでた。
遠くから見物する様な姿勢じゃなくて。命に対しては命がけであるべきだと。